debtorを追え。

本日のターンアラウンドの授業は、ゲストスピーカーが来た。

ケースはポラロイドのターンアラウンド。いつもと違っているのは、ポラロイドの社長視点ではなく、ポラロイドのお金を貸している銀行員視点で書かれている事。2000年初頭、デジタルカメラの出現により売上げがガタ落ちのポラロイド。そんなポラロイドにお金を貸すか否か、が論点。

そしてゲストスピーカーは、このケースの銀行員。さっきまで貸し剥がしやってきたんじゃないかという迫力で、ローンがdistressに陥った時の状況を生々しく語ってくれた。

-当時、結局ローンを貸した。理由は5つ。

-1.戦略的なコントロール。だが「このお金はこの用途で使え」と名言する事は禁止されている。そこで、バランスシートを指でなぞる。どの項目を指しているのか、気付かない馬鹿がいないくらいハッキリと。

-2.担保のコントロール。"assets grow legs"会社が危機に陥ると、給料を払ってもらえない社員は、そこらの資産を持ち逃げする。フィルム会社だから、高価な機械がたくさんある。フィルムに使う銀化塩だって、貴金属だ。

-3.フランチャイズの保護。社員が大挙して銀行のCEOの家のすぐ近くの窓口に押しかける。列を成し、1ドルで口座を作る。口座を作り終えると、また列に並びなおし「さっきの1ドル返してくれ」と言う。窓口機能はマヒ。CEOがこの事態に気付くまで32ナノ秒とかからない。そうしたら、担当銀行員のキャリアはお終いだ。

-4.政治的な判断。当時、9/11から1ヶ月と1日しか経っていなかった。そんな状況下で、ポラロイドという大企業を潰せるのか。

-5.最終的には、お金を取り戻せるか否か。私は、顧客企業のためでも、顧客企業の従業員のためでもなく、私の銀行の株主のために働いている。そして、ローンを通す事が株主価値向上につながると判断した。

また、通常のローンオフィサーと、会社がdistressに陥った時のみに登場するワークグループのオフィサーとは全然人種が違うとの事。

-ローンオフィサーにとっての仕事はClientとのRelationshipを築くこと。ワークグループオフィサーには、DebtorとのCaseでしかない。Hush Puppyと言えば、ローンオフィサーは靴か食べ物を思い浮かべる。ワークグループオフィサーは、サイレンサー付きのピストルを思い浮かべる。(アメリカの貸し剥がしの現場はやはり相当Violentなようで、資産を差し押さえて持っていくと、銃を持って追いかけてくるらしい)

-ワークグループのオフィサーは、債務者にとって、プロフェッショナル、パーソナル両面での失敗のリマインダーでしかない。(1人の生徒の前にツカツカと歩いていって)"how does it feel to be incompetent?"

-債務者は猛烈に抵抗する。ある時は「お前の子供が通学で使うバスの時間を教えろ」と言われた。

久しぶりに相当楽しい授業だった。こういう生々しい話は(傍から見てると)わくわくするよね。
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by chocolamint | 2010-09-24 09:42 | HBS


ハーバードビジネススクールMBA、ボストン生活あれこれ


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